深緑の檻、鉄の柵、 その中に君がいる。 巨躯震わせ、空を見上げ、 野生の魂、どこへゆく。
私はここに、ただ一人、 君を凝視し、言葉を交わす。 君は私を、どう思うのか。 この檻の中の、奇妙な存在を。
言葉は通じぬ、隔たりは深し。 それでも、心は通じ合うのかもしれない。 君の瞳に映るものは、何だろう? 自由への憧憬か、それとも……。
私は阿呆、君はゴリラ。 異なる種、異なる境遇。 それでも、私たちは繋がっている。 生を愛し、自由を希求する、その一点で。
いつかこの檻から解き放たれ、 広大な大地を駆け巡る日が来るだろう。 その日まで、私はここにいる。 君の友として、君の隣に。