私は阿呆だったろうか。いや、誰しもが阿呆なのではないか。 生は短く、死は永く、その間に挟まれたものは、ただのはかない夢。 愛したものは遠ざかり、憎んだものは忘れられず、 喜びは脆く、悲しみは深淵。 生まれた意味など、どこにも見当たらぬまま、 ただ、時間を刻む刻み時計のように、 無意味な日々を重ねていく。 それでも、この世に生を受けたという事実、 それが私を、そしてあなたを、愛おしくさせる。 ああ、なんて愚かだろう。 それでも、私は阿呆であり続けたい。 この世のすべてが、阿呆で満ちているのだから。