目を開けるとそこは暗闇だった
闇の中に闇が続き、その先はさらに闇だった
ごりまるはそっとポケットの中に手を入れた
身体中が痛み、骨が軋んだ
ごりまるのポケットには小さな赤色の鈴があった
触れるとチリンチリンと音がした
この世界でただひとつの音、他には何も音はしない
風が吹いた 頬を撫でる冷たい風
しだいにごりまるの頬にポツリポツリと冷たい雨の雫がおちた
雨は勢いを増し、ごりまるの身体を濡らした
「寒い」 ただただ寒い
ごりまるは捨てられたぬいぐるみみたいに膝を抱えてうずくまっていた
他には誰もいない
この世界に生きているのは自分だけなのかもしれない
そんな孤独がごりまるの身体を蝕んだ