ある奴隷少女に起こった出来事
ハリエット・アン・ジェイコブズ/著 、堀越ゆき/訳
この本は奇跡の本だ。
本来であれば奴隷は文字を書くことができないので書物を残すことは難しいからだ。
そしてそんな権利を与えられることもないだろう。
この本の主人公ハリエット・アン・ジェイコブスは好色な医師フリントの奴隷として彼の屋敷に幽閉されるがそこから人々の助けを借りながら逃げ出し、隠れ、生活するというお話し。
この本の凄いところは体験者の伝記として創作ではない点と、その生々しさだろう、醜悪で狡猾に作り込まれた奴隷制という制度についての解像度があがるとともに法律に守られた悪という側面をみることができる。
なんとなく奴隷制って恐いし良くないよねくらいの認識が、こんなに醜悪な作り込まれた制度だったのかっていうのが体験者の話から理解ができる本になっている。
この本を読んだのは結構前になるが後書きで日本人の誰かが電車の中から現代の日本の社会と照らしながら回想する後書きも読後感が良かった印象。
ちょっと疲れたときの息抜きにおすすめします。
こんな風に生きた人もいたんだっていうひとつの余白がうまれます。


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