第六章 赤鬼


桃太郎達一向は赤鬼の本拠地、鬼ヶ島へと辿り着いた。

この街は元は棋王島という小さな集落を有した北東の島であったが赤鬼が住み着いたことをきっかけに人々はこの地を鬼ヶ島と呼ぶようになっていた。

猿「ついに辿り着いた」

犬「ワン」

鬼ヶ島は鬱蒼とした灰色の土煙で覆われ、いかにもここが鬼ヶ島だぞと言わんばかりの出立であった。

その時一閃の刃の波動がその灰色の煙を切り裂きこちらに向かってきた

猿「危ない!」

桃太郎は持ち前の運動神経と反射神経でその刃の風圧を間一髪のところで避けた。

その刃を受け雉は絶命した。

赤鬼「さて、まどろっこしいことは避け、お前を迎え討とう。ここにお前が来る理由はひとつ。私を討ちとるため。ならばはじめから全力で迎え討とう。まさかこの後に及んで話し合いなどという戯言は言うまい。」

猿「違うんだ、赤鬼!おいらは話あいたいんだ!

赤鬼「笑止!」

雷鳴が轟き、あたりは一層に薄暗く灰色の煙は益々黒くなるばかりであった。


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