第七章 預言者


ーーーー25年前

赤鬼は名もなき町を壊滅状態に陥れた。

その小さな町の盲の老婆は臆することなく赤鬼に告げた

それが彼女の最後の仕事だったから。

「赤き大蛇は迫り行く鳳凰によって食われその生涯を終えるだろう、残されたものは真実を知り、新たな苦悩とともに生きるだろう」

赤鬼は桃太郎達の襲来にふとそんなことがあったことを思い出した。

だがそれは赤鬼を怯ませるほどの効力はなく

ただの戯言のように感じられた。

それは赤鬼にとって食事を邪魔する蝿のような取るに足らないが一抹の不快を感じさせる出来事であった。

その老婆の恐怖と無縁の姿が、赤鬼にそうさせたのかもしれない。


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