第八章 鳳凰の顕現


赤鬼の威力は凄まじかった。

それはもう最早 嵐 であった。

赤鬼の棍棒は縦横無尽に桃太郎達を襲った。

砂煙が大量に舞う中、赤鬼の振るう棍棒の嵐に桃太郎達一向はすこしずつ

しかし確実に体力を削られていった。

もうだめかもしれない。桃太郎一向の心が折れかけたとき。

地面から眩い光が溢れてくるのが見えた。

桃太郎「こ、これは」

光を放っているのは最初の初撃で亡骸となっていた雉の躯であった。

眩い光はどんどん大きくなりあたり一面を覆った。

婆「時は来たれり」

眩い光が拡大しあたりにいる一同の視界を一時的に遮った。

白い光の粒。

そうしてもう一度あたりに色が戻ったとき。

そこには一翼の鳳凰の姿があった。

赤鬼はその姿の神々しさに不気味なものを覚えた。

神聖さと同時に自分の生命が絶たれるかもしれないという生命としての本能であった。


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