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新しい嘘
白昼夢の泡が弾ける音 それは、いつか叶うかもしれない願いの音 子どもの頃は、嘘も本当も曖昧だった 「大きくなっ…
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冬への序章
荒海を、白沫立てて、冬の使者が来る。 冬の使者とは、北からの冷たい風か、 それとも、空を覆う鉛色の雲か。 窓の…
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夢現の詩
夢現の詩 薄明かりの中 現実と夢が交錯し どこからどこまでが 本当なのか ふわふわと 雲の上を歩いているような…
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生命の環
生まれ出でし芽は緑ゆえ 生きることの 重み背負いゆく 生きる喜び 悲しみを知り 生きてこそ 光を見る
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幾ばくの夢
幾ばくの夢を、私は見てきただろう。 幼き日の輝きは、もう遠い昔。 現実は、生ぬるい湯につかるごとく、 虚無へと…
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阿呆
私は阿呆だったろうか。いや、誰しもが阿呆なのではないか。 生は短く、死は永く、その間に挟まれたものは、ただのは…
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あいうえおの詩:日常の風景
あさが来た 空は青く澄み渡り いのち輝き 鳥はさえずる うれしい朝 パンを頬張り えがお広げ 今日も元気に お…
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北の光
北の空 澄み渡り 星は煌めき 根室の夜 静かに 時は流れゆく 荒涼たる大地 冬の息吹感じ 故郷の海 凍てつく …
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秋夜
秋夜清し 月の光に照らされ政治家の影 深き闇に沈む民の声遠ざかり 孤独に佇む枯葉散りゆく 季節の変わり目冬が来…
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断片の肖像
鏡の中の男は、無数の破片に砕け散る。 それぞれの破片は、異なる表情、異なる記憶を宿す。 幼い日の笑い声、初恋の…