第十章 真実


お前の本当の名・・・そう、平次郎・・・我が息子

鬼と人の間に生まれた哀れな忌み児。「桃太郎」

おかしいとは思わんか。桃から人が生まれるなどあるはずがない

だけどそう人はよくできている。

人は見たくないものを見ず。聞きたいことを聞く。

都合のいいように解釈されたこの世界で。

実によくできている。

平次郎、お前の中には半分鬼の血が混じっている。

だが今更そんなことはどうだっていい。

私を喰らうか

喰らわれるか

それは人の世の理も似たり。


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