海には輪郭がない
どこからが海で
どこまでが空なのか
遠くなるほど
青は青に溶けていく
波がひとつ
砂浜に境界をつくる
ここまでが海だと言うように
けれど
次の波はそれを越えてくる
海はいつも
自分で引いた線を
自分で消している
水平線は
あんなにはっきり見えるのに
そこへ行ってみれば
一本の線など
どこにもない
世界にはきっと
そういうものが多すぎる
朝と昼
子どもと大人
始まりと終わり
名前をつけた途端
わかったような気になるけれど
本当はどれも
ゆっくり混ざり合っている
海には輪郭がない
それでも僕らは
水平線を眺めている
存在しない線を
美しいと思いながら


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